2019年8月21日水曜日

この前のこと

夕方ドースイスピーガに、もうお菓子残ってないかもなあと思いつつ寄ったらわりと色々あった上にたまごのプリンまであったためとっても嬉しくなって、そのあとに会う友人たちのための焼き菓子と家族のためのプリンを買った。
しかし、東京堂で新刊パトロールしながら、これから食事会に行くのだし、夏に数時間プリンを持ち歩くって大丈夫なの?もういっそ公園で私が食べてしまおうかしらと思い立った。
米澤嘉博記念図書館で三原順カラー原画展にも行くつもりで、あそこの近くの公園で食べたろと思ったのですが、先客(明大生か?)がいて、彼らは演劇の練習をしているのであった。
暑い日に外で練習とはこれまた…と思ったけど、彼らもまた公園で唐突に大きなプリン(何しろホールの4分の1)をあぶあぶ食べ始める女奇妙に思うだろうし、ジロジロ見てたらさらに怖かろうとも思うので、彼らの方は努めて見ないようにし、目の前の巨大なプリンをとにかく食べた。彼らの気配、演出をつける男子の声、だいぶ下手だなと思ったけど、恥ずかしがったり茶化しあったりせずにでも楽しそうに練習していて羨ましい気持。プリンはとってもおいしいでした。

三原順のカラー原画を見て、


(そういえば前の職場ではみだしっ子大好きな人が貸してくれたものの辛くなって途中で読めなくなったまま返したな〜今ならちゃんと最後まで読めるだろうか。)

クルルで友人たちと食事をした一日。プリンで結構お腹いっぱいになってたんだけど、がむしゃらに食べた。ムキになって食べて飲んで職場の悪口に合いの手を入れた。

2019年8月20日火曜日

タレンタイム

私が勝手に映画メンターとして思っている人たちが皆、「タレンタイム」良い!ほんとに優しいいい映画なんだよ〜〜と口頭でまたはSNSで言っているのを聞くにつけ、ああ早く観に行かなきゃと思いつつ、そして何度もそのチャンスはあったのに逃しまくってやっと観られました。ヤスミン・アフマド監督特集を、ありがとうイメージフォーラム!!

(と言いつつ、ここでも特集上映終了間近で駆け込んだ次第。地方に住んでいると何を差し置いても興味があるものは何でも見ないとと鼻息荒く駆け回ってたのに、東京に住むとまたすぐにチャンスがある〜って呑気になるの、ほんと良くない…)

『タレンタイム〜優しい歌』2009年 ヤスミン・アフマド監督

もう、噂通り、瑞々しくて優しくて切なくて胸が破裂しそうだった!マレーシアという国に、いろんな言葉を喋る人がいて宗教が異なる人がいて、これはもちろんどこの国でもだけど病気の人もいて、それでもどうにか相手に伝えたいから、彼らは歌うし気持ちを伝えるし口が動かしづらくても一生懸命語りかけるし、手話も覚えるのだった…
(ハフィズという超歌うま、成績ナンバーワン、お母さん思いの、彼のことを思い出しただけで今でもめちゃ泣けるほどの良い子、耳の聞こえないマヘシュと難なく手話で会話してたの、マヘシュと仲良くなって覚えたってことですよね…?ハフィズ〜〜〜〜〜!!友人思いのいいやつ!!!この先一生幸福ばかり降り注ぎますように!!!!!!!!)

マヘシュと恋に落ちる女の子ムルーのおうちは裕福だしみんな健康で賑やかで何よりリベラルな雰囲気なのがとっても素敵。三姉妹がダンスしたり喋ったりふざけあったりしてるのを見るだけで楽しい!のだけど、それでも他の家庭では、あの宗教の人と関わってはいけない!という人も出てくるし、なんであの人を使用人として雇ってるの?なんて偏見むき出しの人もいる。いるんだけど、その度に、ちゃんと抵抗して、それでも私は、と言葉にするのがまたこう…優しい世界…

私はとにかくハフィズの歌が良すぎる上に彼があまりにも不憫な気持ちになるくらいにいい子なもんで涙腺緩みっぱなしなんだけど、スーパー優等生の座を彼に譲ることになったためにずっと不機嫌で意地悪してくる彼の元トモ(親友だったんだよね)の中華系二胡奏者男子カーホウがもう…とある最高の場面、エモーショナルすぎて胸が爆発しもちろん今も思い出し泣きしています。あといろんな場面でちょこまか出てくるコメディリリーフぽいメガネの男子も可愛いぞ!あいついいやつだよね。

というわけでおいおい湧き出た涙は上演後も止まらず泣きながら表参道を歩いたのでした。こんな美しいもので流す涙なら本望ですよ!!!


「細い目」も見たいんだけど、ちょっと間に合わなそう…なので、10月の公開が楽しみ!ぼーっと呑気に構えちゃだめだよほんとに私。

2019年8月5日月曜日

いとはん〜〜

観なくちゃ観なくちゃ、と思いながら数年経ってようやく!

『いとはん物語』 1957年 大映 伊藤大輔監督


あの世界で一番立派で美しい猫みたいな人こと京マチ子がメイクでオカメないとはんを演ずるという…

オカメのいとはんはお祭りの日、好きな人のことを神様にそっとお祈りしてるだけなのに、大店のいとはんってことで目立つこともあって、最悪ボンクラ男どもに囲まれてオカメ、醜女と囃し立てられるのですナ…そしてそこに「おい!失礼だろ!」と駆け寄ってくるのはもちろん愛しい人、友七(鶴田浩二)ですね。貴様らなぞ浩二にボコボコにされればいいんだ!頑張って〜〜〜えーーん!!て泣きべその気持ちで映画はスタートだ。てかまじでなんなのだあの男どもは。私がお嘉津(マチ子)ならお金の力でねちっこい復讐をするところですが、お嘉津は心が清らかだからそんなことしないし、もうそうやってバカにされるのは慣れっこなのだという態度だ。

そんなお嘉津を不憫に思った母親が友七との縁談をまとめようとするが…というのがストーリーなんですが、とにかくお嘉津の可愛らしさと不憫さで胸が苦しかった。思わぬ縁談話にパニックになったり、臆したり、鏡に映るオカメ顔に目を背けたくなるけど、眉・鼻・口元を手で隠せば(そのパーツをマチ子はオカメ風にメイクしているのです)綺麗じゃないかと嬉しくなったり、友七が育ててる菊に水をまきまくったり、髪型をおしゃれにしてみたり、全部がはちゃめちゃに可愛いのだ。可愛くて、切ないの。
二人の新婚旅行を夢に見るんだけど、夢の中のお嘉津は京マチ子であって、それはもう本当になんというかビロードのようなとろけそうな美しさであって、それもまた悲しくなっちゃう。
今、もし目の前にお嘉津がいたら、そのままのお顔でチャーミングだし、もし眉の形が気になるなら一緒に研究して眉描こ!結婚も別に。だって歌と踊りの名手でしょう、て言いたいけど、お嘉津は自分の顔について刷り込みがあるし、それこそこんな顔に産んですまないと母親に泣かれるほどですから、それに結婚したいのだ。結婚したお友達をそおっと羨んでしまうんだ。ぽっと出の私が何を言ったって気持ちが軽くなりはしないだろう。それでも根気強く言いたいけど…

ところで、お嘉津の清らかな優しさを知っているだけに辛い思いをする女中のお八重さんを演ずるのは小野道子。面長でおっとりした上品な顔立ち、とても素敵だな〜と思って調べたら長谷川一夫のお嬢さんで宝塚38期首席入団ということが分かってさらにときめきました。



それにしても平日午前中の恵比寿ガーデンシネマ、ピカピカにきれいでウットリしちゃった。

2019年8月4日日曜日

夏の覚書

去年の夏も頭に来るニュースがあったけど今年の夏すごくないですか?ちょっと生命の危機を感じている。
自分の理解をはるかに超えた人たちが大勢いるらしいことと、そのことに対して適切な処置がなされないことやむしろメインストリートを堂々と歩いてるぽいこと、本当に本当に怖いんですが…

怖くて醜悪なことばかりだけど、頑張ってむきになって綺麗なもの集めたり遊んだりしてます。

宝塚観劇も、素敵なサマーニットも、宝石みたいにキラキラした小川軒のももパイも、ベジタリアンで一気飲みするスイカジュースも、摩利と新吾も、夜の代々木公園でのお誕生日ピクニックも、冬の旅も、永遠に終わらないジョナサンのおしゃべりも、『骨と十字架』も、それに付随してキリスト教のこと知りたくなったり賛美歌について調べたことも、暑すぎる日にぶーたれながら行ったピューロランドも、まずいクロミちゃんカレーも、セラミュも、家族とする真面目な本の話も、全部全部これからなんとか生きていくための大事な祈り

今年の夏休み

 変な夏休みだ。実家にも帰れないし旅行にも行けない嫌な夏。外でウイルスが付着するかもしれないと思うとお洒落もしたくなくなるし何しろクラクラするほど暑いし、だけども目の前がパーっと真っ白に見える夏の風景を少しでも見たくて、少しだけお出かけした。変な夏の記録です。 8/6 弥生美術館...