2019年10月26日土曜日

チェコ アルファ劇場

ああ、憧れのプーク人形劇場!!


東京乙女スポット見物の一環としてあの最高に可愛い売店を覗いたことはあったけど、ちゃんと観劇したことはなくて、いいなあいつか行きたい〜!て夢に見てたのです。それが、チェコのとても有名なアルファ劇場の人形劇観劇で叶うことになるなんて!!!

チェコのアニメーションや人形劇について、私が大学生の頃ものすごく流行っていたけどあれは何がきっかけだったのだろう?当時大阪在住だったのですがあちこちのミニシアターで観られる機会があって、聞きなれない響きの作家の名前を一生懸命覚えたりしつつ胸ときめかせて通っていた。もちろん今でも好きだけど、年々覚えることが増えてきて(ジェンヌさんの名前や愛称や好きな花等)脳は完全に容量不足。あの頃一生懸命覚えた名前やタイトルや作風や、もやがかかったみたいに忘れてて寂しい。それが私とチェコアニメの関係2019年だったんだけど、こうして生で観劇できるとは。懐かしい友人に会うみたいな気分。

とはいえ、私はチェコのアニメーションや人形劇に対して寂しさや幻想、恐ろしさが本分と思ってたのですが。初めて観るアルファ劇場の人形劇はとにかく面白さが一番先に来る感じでびっくりした!
今回一緒に行ったお友だちから教えてもらった記事にもチェコの人形劇は圧倒的に笑いが多い、と書いてあったし、印象がガラリと変わりました。
『ドン・ファン』も『ファウスト博士』も、自分が知ってる話とちょっと違う、そして両方とも救いがたいほど極悪な男が非道の限りを尽くし地獄へ行く、と言う話なんだけどもそれで笑えるってすごくないですか?!役者の方の声色、ガーデニング用品で作られた人形のダイナミックだったり軽やかだったりする動き、絶妙な間合い、全部笑っちゃう!そしてそのどちらにも作品にも出てきた下僕キャラ(名前失念…)のコメディリリーフぶりが本当に可愛くって…悪魔を呼び出す魔法陣の中に、これは綺麗なお庭かな!?て入って行っちゃったりする間抜けさ、わかる、わかるよ。
でも、笑いだけではなくて、やっぱり幻想的な場面が本当にすごくて。ファウストがポルトガルを水に沈めるのですが(最悪!!)その水に沈んだ街の表現が本当に本当に…コポコポ、と水の音がして、ふわ〜とシャボン玉が舞い、魚たちが泳ぎだす。魚がギラリ、と鈍く光る美しさ。ああ、こればかりは観るしかない、私の目をいろんな人にお貸ししたいくらい。あの時、私たちはみんな水中散歩してたんだと思う。

音楽も本当に素敵だった。よく分かんないあのオルゴールみたいな楽器、何ですか?!どういう仕組みなのかな。あと、プーク人形劇場にご所属の、日本語ナレーションを担当されていた佐藤達雄氏のお声が本当に柔らかくて、手を繋いで優しく人形劇の中に連れて行ってくれている感じがした。

お話が終わった後はお人形が勢揃いして撮影・質問大会。異様に可愛い謎の悪魔ちゃんが何でできているかも把握!(悪魔ちゃん、向かって右手のツノ生えた黒いこ)そしてお人形、とっても重たいそうです。持たせてもらっている人もいていいなあ!と言うか持たせてくれるのね、太っ腹だ!

プークという場自体も思い描いていたよりもっともっと素敵で(スタッフの方達が本当に親切)小さな場所、古い椅子に座って、こうやってずーっといろんな人たちがワクワクと人形劇を観てきたんだなあ、と思うと胸がいっぱいだ。90年間、いろんな人たちの平和を願って人形劇を続けてきたなんて泣きそうになる。みんなそうであったらいいのにね。

観劇後、みんなで餃子を食べながら感想を言い合ったり思い出の人形劇についておしゃべりしたり、そこまで含めて本当に楽しい1日でした。そして私の心はまだ水中都市にある。


プーク、クリスマス公演「12月のたき火」も気になるな〜!




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