2020年8月1日土曜日

映画館と劇場

シアタークリエ『SHOW-ISMS』のチケットが手に入ってずっと、嬉しいけど本当に劇場に行って大丈夫…?って不安だった。正確にいうと、舞台に行くことで周囲に白い目で見られることや、万が一罹患した場合自分の生活行動をいちいち報告しなければいけない恐怖と周囲の人にうつしてしまう可能性の恐怖。
行かないとしても、支払ったチケット代は東宝への募金と思えば全然オッケー!て感じなんだけど、やっぱりどうしても観たかったのでした。美弥ちゃんのクリエデビューを見届けたいのもあるし、そもそも生の観劇に飢えすぎていた。もう心がカチカチになってる感じで。なので、結構ギリギリに出来る限りの対策をして劇場に行くことを決めた。

当日は東京宝塚で星組初日のおめでたい日でもあった。
星モチーフのアクセサリーをつけて、お洋服だって新調したお洋服をおろして久々にお洒落して。大泣きしていいように吸水性の良いハンカチにしたほうがいいかな…なんてこの感覚、久しぶりでもうそれだけでめちゃくちゃ楽しくなってしまう。

せっかくならもう詰め込んじゃおってことでまずTOHOシネマズ日比谷に。
ここから見える日比谷公園の景色って好きだな。この日はぼおっと曇って鈍い色だ。ミニオンは元気そう。


福岡にいた頃は観劇もするしイベントにも行くし差し入れもしちゃう程度には大ファン!だったんですが、東京に来てから興味があちこちに湧いちゃって忙しくなっちゃってちゃんと追っかけられてなかったヨーロッパ企画。公演に気づいた頃にはもうチケット完売、みたいな。
わ〜久々に観てみよう!評判も良さげ〜!って感じの軽やかさだったのですが(あと、やっぱこういう状況下で「劇団」にお金を微々たるもんですが使いたいなって思って)。
これがもうめちゃくちゃに面白くって、そうだった〜〜〜私!!こういうヨーロッパ企画の感じがめっちゃ好きだったんじゃん〜〜〜!!!てガツンと来ました。設定自体はめっちゃ緻密で複雑、制作も相当大変だと思うんだけど、観てる間はそれを忘れちゃってずーっとクスクスおかしい感じ。どこかすっとぼけてて、だけど余韻がいつまでもめっちゃたなびいてる感じ〜〜!!!アアア〜〜〜!!!そうでした〜〜参りました〜〜〜真面目に追っかけさせてください!!!て思っちゃいましたね…あと、曲の使い方も最高ですよね。主題歌とっても素敵だったし!
次回のヨーロッパ企画の舞台、とっても楽しみ。いつになったら観られるのかな。

興奮しきったままランチしに、ストーンへ。お店の人はマスクオンフェイスガード。飲食業の方、怖いよね…開けてくださってありがとうございます。おかげで憩えるし頭も冷やせます。
最近外で読むのは有吉佐和子の『処女連禱』。なんかこればっかりカバンに入れがち。この小説が読みやすいテンション、というかそういうのどう説明したらいいの?

舞台の時間まで色々お買い物していざクリエ。
クリエ、初めてだったのでどんな劇場なんだろう?楽しみ〜!とワクワク足を踏み入れたんですが、スタッフの方が大勢見回りされており、劇場でのグッズ販売もなし、例えばちょっとしたフォトスポットになりそうな箇所もなく(これは普段から??)静かに緊張感が張り巡らされてる感じ。今舞台の幕を開けるってこんなに大変なことなんだなあと改めて感じた。
椅子に座っただけで感激して泣いちゃうかも!って思ってたけど、緊張感の方がまさっていた。でも、流石に開幕して劇場にキャストが出てきて光が当たった瞬間にダーっと涙が出てきた。生ってすごい。相当恐怖があっただろうに、準備も大変だろうに(現に一回ものすごい突然休演になったしね…)それを乗り越えて舞台に立ってるんだと思うともう胸がいっぱいで。
内容は以前中止になった『マトリョーシカ』を再構築して短縮したもの、なのかな?
コロナ渦の夜間学校に通う大人たち(それぞれ、学習障害や貧困、DVなど問題を抱えている大人)と、バンビ先生こと美弥ちゃんのお話。
時間が短い上に、みんなの事情がそれぞれ複雑なため、詰め込みすぎじゃない…?とか、そんなすぐ解決を…?とか突っ込みどころももちろんあるんですよ。あるんだけど、でも、問題を抱えて鬱屈としていた人たちが頑張って言いたいことを言い、歌いたい歌を歌う様になる様子(のりちゃんのソーラン節〜!!)はもうさ…そんなの…
そして基本クールでミステリアスなバンビ先生が指揮をしたり歌ったりするときはめちゃくちゃエモーショナルになるのもさ…生徒が帰るときに「大丈夫?」「気をつけてね」っ声かけるとこ、ものすごく優しく響くしさ…はあ本当吸水性の良いハンカチ持っていってて良かった。もうだいたい泣いてた。
美弥ちゃんの存在感と演技って本当に素晴らしい。やっぱり舞台でずっと観ていたい。

何よりジャストナウって感じの題材で(最初はリモート授業。スマホがないので受けられない人いるのも胸が痛い…)お芝居作って演じて、ってそのスピード感に感動した。演劇ってすごいんだな。


最後にキャストが揃ってご挨拶されるときに、「漕げよマイケル」のメロディに乗せて、みんなありがとう、来てくれてありがとう、舞台ができて良かったハレルヤ!、みたいなメッセージを歌ってらしたんだけど、もうそこで嗚咽漏らしそうなくらい泣いちゃって、改めてずっと怖かったしいろんなことに怒りっぱなしだし緊張感とけないし、私ずっと辛かった、ってのを思い起こしたし、その硬い気持ちが溶けてくみたいに感じた。そして本当に今日は幕を開けてくれてありがとう、舞台を観られて良かった、ハレルヤ!と思えた。
オンオン泣いてたら、ご挨拶の美弥ちゃんがいつものフワ〜っとしたチャーミングすぎる美弥ちゃんでまたそれがえ〜んなんつーか掛け替えのない今〜〜!!!て感じがして泣きながら笑ってしまった。

エンターテインメントのおかげで正気を保ててる。本当にありがとうございます。

(とはいえ、家に帰る頃には膨れ上がった東京の感染者数と、それなのに政府がマスクや消毒液の転売規制解除に乗り出しているという最悪な上にまじで意味がわからないニュースが飛び込んできて、現実はほんの少しの間だけでも楽しい気持ちのままで居させてくれないのだ…とゲンナリしてしまったのだけど。せっかくきれいになった心速攻で濁らせないで欲しい…)



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